兼仲の伝説②

飛地蔵堂 飛地蔵堂

 大山さんの遍路道に入るとすぐ飛地蔵堂という小さなお堂があります。七条兼仲が二十歳前の若い頃、二倍の力を授かるよう毎夜丑の刻に大山寺へ詣でて祈願した。結願の夜、大山寺へ上っていく途中、山麓の細い道の真ん中に大きな牛のような怪物が横たわって道を通れない。よけようとすると怪物は首を振り立てて通らせまいとする。怒った兼仲は太刀を抜き一刀のもとに怪物の首を落とし、その後何もなかったかのように悠々と大山寺に詣で結願を果たした。ところが牛のように見えたのは実は道端のお地蔵さんであった。お地蔵さんが兼仲にどのくらいの力が付いたか試されたのであった。お地蔵さんの首は斜めに見事に切られていたそうで、この噂はたちまち広がり兼仲の大力は国内の評判になったそうです。(板野の伝説より)

 

飛地蔵飛地蔵

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